サプリメントの飲みあわせ
1日に必要な栄養素を食事だけで補うことはなかなか難しいですよね。そんな時に、サプリメントだと手軽に必要な栄養補給ができるので、とても便利です。
消費者庁の調査では、成人の約6割が、サプリメントを取り入れていると報告されています。
それほど多くの方に使用されているサプリメントですが、実は、飲み合わせによっては良くないケースがあることをご存知でしょうか?
そこで、この記事では避けるべきサプリメントの飲み合わせと、想定される危険性について一部ご紹介していきます。今後の健康維持のためにも、ぜひ知っておいてくださいね。
悪いサプリメントの飲み合わせの例と想定される危険性
鉄分とタンニン
鉄分は、タンニンと一緒に摂取することで吸収が阻害されてしまいます。タンニンは、緑茶・紅茶・コーヒー・ワインなどに含まれています。摂取する際は、なるべく時間をあけるようにしましょう。
カルシウムとシュウ酸や食物繊維
カルシウムとシュウ酸の組み合わせは、カルシウムの吸収を阻害してしまいます。またカルシウムと食物繊維を同時に取ることで、食物繊維がカルシウムを吸着してしまい、便として体外に排出されてしまいます。
カルシウムと鉄分・亜鉛
カルシウムと鉄分・亜鉛の組み合わせも、カルシウムの吸収を阻害してしまいます。少し時間を空けてから摂るようにしましょう。
良いサプリメントの飲み合わせの例
悪い組み合わせがある一方で、良い組み合わせも存在します。組み合わせによっては、相乗効果でより働きを高めることがあります。
ここでは、良いサプリメントの飲み合わせの例と想定されるメリットについてご紹介していきます。良い飲み合わせは積極的に取り入れましょう。
ビタミンB群は一緒に摂取
ビタミンB群(Bl、 B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)は、水溶性ビタミンと呼ばれ、水に溶けやすく熱に弱い性質があります。これらの物質は、一緒に摂取したほうが、単体で摂取するよりも効果が高いといわれています。
鉄分とビタミンC
女性に多い鉄分の不足ですが、鉄分の不足は、鉄欠乏性貧血を引き起こす可能性があります。鉄分のサプリメントは、ビタミンCとの同時摂取で吸収されやすくなります。
カルシウムとビタミンD
カルシウムの不足は、骨粗しょう症の原因になります。カルシウムはビタミンDと一緒に取ることで、吸収率を高めることができます。
ビタミンEとビタミンC
ビタミンEは、脂溶性ビタミンと呼ばれ、油と-緒に摂ることで 体内に吸収されやすくなるビタミンの一つで、体内の脂質の酸化を防ぐ、抗酸化作用の働きがあります。
ビタミンCと一緒に取ることで、作用の持続性が高まります。
サプリメントと薬の飲み合わせは?
組み合わせによっては、相互作用により、医薬品の効果を強めたり弱めたり、副作用が強まったりすることがあるといわれています。
特に、薬を処方された際に「薬を利用している間、この食べ物は食べないでください」と指定がある場合は要注意です。
その食べ物に含まれている栄養素がNGで、そのNGの栄養素がサプリメントに含まれていることがあります。
これから一例をご紹介していきますが、必ずかかりつけの医師に相談しましょう。
EPA(エイコサペンタエン酸)と降圧薬
魚の脂肪に多く含まれるEPAも、血圧を下げる可能性があります。降圧薬と併用することで下がり過ぎてしまう可能性があるため、注意が必要です。
ビタミンCと利尿剤
抗酸化作用があるビタミンCですが、大量のビタミンCと利尿剤の併用で腎・尿路結石が起こる可能性があります。
葉酸と抗てんかん薬
葉酸は、てんかんのけいれん発作に対して用いられる薬の分解を促進してしまい、けいれん発作を予防する効果が薄れるリスクがあります。
ギャバ(GABA)と降圧薬
チョコレートやココアの原料であるカカオに含まれているGABA(ギャバ)は、血圧を下げる可能性があります。降圧薬との併用は、血圧が下がりすぎるおそれがあります。
ナットウキナーゼと抗血栓薬(抗凝固薬/抗血小板薬)
納豆に代表されるナットウキナーゼは、血液凝固を抑制する作用があるといわれています。抗血栓薬との服用で、紫斑や出血が表れる可能性が高くなります。
ローヤルゼリーとワルファリンカリウム
アンチエイジング、疲労回復などが期待できるローヤルゼリーですが、ワルファリンカリウムの作用を増強し、青あざ(紫斑)の発生や出血の可能性が高まるので注意してください。
コエンザイムQ10とワルファリンカリウム
美容成分コエンザイムQ10は、血液凝固を促す可能性があり、ワルファリンカリウムという薬の血液凝固の抑制効果を弱めてしまうと考えられています。
カロテン(ベータカロテン)と脂質異常症治療薬
緑黄色野菜に多く含まれるベータカロテンですが、ビタミンC、セレン、ビタミンEなどと摂取すると、脂質異常症治療薬の効果を弱めるといわれています。
アルギニンと降圧薬
精力剤とし有名なアルギニンには、血圧を低下させる働きがあります。降圧薬と併用することで血圧が下がりすぎるおそれがあります。
少しでも心配な場合は必ず医師に相談を
サプリメントはとても便利なアイテムですが、ただ単に飲めばいいというわけではありません。
摂取量や飲みあわせを間違えると、体に悪影響を与えてしまうこともあります。
また現在、処方されている薬を服用している場合は、サプリメントの摂取について医師に相談するなど、十分注意して飲むようにしてくださいね。