勘違いされがちなNG食事法
健康診断で「中性脂肪の数値が高い」と指摘され、食事の内容を見直そうとする人も多いと思います。
とはいえ自己流で間違った方法の食事を続けてしまうと、かえって数位が悪化したり、健康に悪い変化が起こることもあります。
ここでは、勘違いから取り入れてしまいがちな、「やってはいけない食事法」を挙げていきます。
しっかりと知識を得て、対策に活かしてみてくださいね。
油や脂質を完全に摂らない
中性脂肪を減らしたいからといって、「油を完全に摂らない」食事はNGです。
確かに、油たっぷりの揚げ物や、トランス脂肪酸を含むマーガリン、砂糖や乳脂肪をたっぷり含む高脂肪のケーキなどを日常的に食べてしまうと、
たちまち中性脂肪値も増高まり、コレステロール値や体重にも影響が及ぶでしょう。
しかしその一方で、魚の油に多く含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は、血液をサラサラにする効果が期待されます。
大切なのは、完全に油や脂質をカットするのではなく、「良質の油を摂る」ということです。
体内で作られない、摂った方が良い油
オメガ3系の脂肪酸
- EPA・DHAを含む魚油
- えごま油
- なたね油
オメガ6系の脂肪酸
- コーン油
- 大豆油
- 綿実油
- グレープシードオイル
体内で作られるため、摂らなくても良い油
オメガ9系の脂肪酸
- オリーブオイル
- べに花油(ハイオレックタイプ)
- なたね油(ハイオレックタイプ)
- 落花生油
摂り過ぎに注意が必要な油
飽和脂肪酸
- 豚肉や牛肉の脂
- 油やし(パーム)
- ココやし(ココナッツオイル)
- ラード
- バター
トランス脂肪酸
- マーガリン
- ファットスプレッド
- ショートニング
極端な「糖質オフ」
近年の健康ブームで、「糖質制限」や「糖質オフ」に関連した商品がたくさん登場しました。
しかし、本当に糖質は悪いものでしょうか?
そもそも糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いたもの。
これを取り過ぎると、確かに肥満症の原因になり、中性脂肪値の高さにつながってしまいます。
しかし、人間の活動エネルギー源となるものは糖質です。
特に脳は、血液中の糖質(ブドウ糖)が主なエネルギー源です。極端に糖質が不足すると、ぼーっとしたり、集中力が続かなかったりと、意識障害の可能性も高まります。
糖質を完全にカットするのではなく、“食べ過ぎに注意する”ことが必要です。
コレステロールを摂らない
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が体内で増えると、血液はドロドロになり、脳梗塞などを起こしやすくなります。
しかし、コレステロールをまったく摂らない食事もNGです。コレステロールも、人間が健康を維持する上で、必要な栄養素なのです。
コレステロールは、細胞膜の材料になったり、さまざまなホルモンの原料になります。
コレステロールが不足すると、肌や髪はパサパサになったり、細菌に感染しやすくなるだけではなく、血管の細胞が弱くなって脳内出血などが起こりやすくなると言われています。
以前は「1日に卵はひとつだけ」と言われていた時代もありましたが、厚生労働省は2015年、日本人の食事摂取基準からコレステロールの上限値を撤廃しました。
とはいえ、食べ過ぎは栄養の偏りを生みますから、適度にバランスよく摂ることが大事です。
何事もバランスよく、を心掛ける
うっかりやってしまいがちな、「やってはいけない食事法」をご紹介しました。
脂質も、糖質も、コレステロールも…たしかに避けた方が良いとは言われるものですが、制限のしすぎはかえって健康に悪影響を及ぼします。
正しい知識を持って、毎日の食事を健康的に楽しみましょう。