DHA・EPAは調理で減ってしまう?

DHA・EPAは調理で減ってしまう?

DHA、EPAは青魚に多く含まれている成分です。
イワシやマグロ、サンマなどに多く含まれていますが、調理中の熱によってその魚に含まれているDHA、EPAが減ってしまうというという調査結果もあります。
では、調理方法によってどれくらい減ってしまうのでしょうか。
どんな仕組みで減ってしまうのかまで理解して、日頃の調理に活かしてみましょう。

「焼く」と「揚げる」、減りやすいのは「揚げる」

サンマを用いて行われた検証では、「焼く」と「揚げる」の2種の調理法で比較されました。
すると、「焼く」の場合、EPAは約88%、DHAは約85%残ったことに対し、「揚げる」の場合はそれぞれ約49%(EPA)、約55%(DHA)という結果になってしまいました。

どうして「揚げる」ではここまで減ってしまったのでしょうか。
理由の一つとして、魚と揚げ油の間で、油脂の交換が起こることが挙げられます。
魚油中のEPAやDHAが揚げ油に流れ出る一方で、揚げ油中に含まれる脂肪酸が魚に入り込んでしまう、ということが起きるのです。

また、共通の原因としては、熱で分解されてしまったり、酸化してしまった、ということが挙げられます。
効率よくEPA、DHAを摂りたい場合は、加熱調理を避けるのがベターと言わざるを得ないでしょう。

生以外では汁物料理がおすすめ

加熱調理の場合は、汁ごと食べる料理がおすすめです。
煮物料理やみそ汁にすることで、溶け出たEPA、DHAも汁を飲むことで摂取することができます。
注意としては、塩分が高くなりすぎないように味付けにも気を付けることです。

缶詰でも充分に摂取できる

効率的にEPA、DHAを摂りたい場合は、サバ缶やサンマ缶などの魚の缶詰もおすすめです。
実は、DHAやEPAは骨にも含まれています。
缶詰なら骨までやわらかいので食べやすく、より多くのDHA・EPAを摂取することができるのです。
最近の缶詰にはDHA量、EPA量を記載しているものも多いので、少し注目して見てみましょう。

1日1000mgが目安

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2010年版)」によると、1日1000mg以上の「DHA・EPA」を摂ることが推奨されています。
しかし、日本人は現状、平均して1日で500mg程度しか摂れていないと言われています。
食卓に上手に魚を取り入れて、この基準値をめざしてみましょう。