メタボリックシンドロームって?
一昔前、「メタボ」という言葉が流行語大賞のトップ10に入るなど、誰もが耳にしたことのある言葉になりました。
とはいえ、言葉ばかりが有名になって、なんとなく「肥満」のことだと解釈していませんか?
ここでは、「メタボリックシンドローム」を詳しく紹介していきます。
「メタボリックシンドローム」は単に「肥満」のことではない
メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積(ウエスト周囲径)に加えて、「脂質異常」「高血糖」「高血圧」のいずれか2つ以上該当した状態を言います。
それにより動脈硬化が促進され、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす危険性が高まります。
内臓脂肪は、消費するエネルギーよりも供給するエネルギーが多くなると蓄積されます。
日頃の生活習慣を見直し、メタボを予防しましょう。
「メタボリックシンドローム」の診断基準
まずは内臓脂肪がどれくらいあるのかを、ウエストを測ってみましょう。
そして健康診断の結果をもとに、自信がメタボリックシンドロームに当てはまるかどうかをチェックしましょう。
必須項目:ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)
- 男性85cm/女性90cm以上
正しい測り方
- 空腹時に測ります。朝起きてすぐや、寝る前などに測りましょう。
- おへその高さの腹囲を計ります。洋服を選ぶときのウエストサイズとは異なるので注意してください。
- メジャーを無理にひっぱったり、お腹をへこませたりはせず、自然な状態の腹囲を測りましょう。
選択項目:3項目のうち2項目以上
- 脂質異常
【中性脂肪値が 150mg/dl以上】かつ・または【HDLコレステロールが40mg/dL以下】 - 血圧
【収縮期(最大)血圧が130mmHgより高い】かつ・または【拡張期(最小)血圧が85mmHgより高い】 - 血糖
【空腹時高血糖が110mg/dl以上】
内臓脂肪は運動で減らしやすい
内臓脂肪は皮下脂肪に比べてたまりやすいのですが、実は燃焼しやすいという特徴もあります。
内臓脂肪を減らす運動のポイントを紹介していきます。
効率よく減らすなら有酸素運動
内臓脂肪を落とすためには、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動がおすすめです。
有酸素運動では、初めは血中の脂肪が多く使われますが、20分以上続けた頃から内臓脂肪が使われるとされています。
内臓脂肪を減らすためには、毎日20分以上、早足でウォーキングしたり歩く時間を増やしたりして、体を積極的に動かしましょう。
有酸素運動の前に筋トレを取り入れる
有酸素運動に加えて筋トレも行うと、基礎代謝量が増え、内臓脂肪が落ちやすくなります。
おすすめは、有酸素運動の前に筋トレをすること。
筋トレを行った後は代謝が高い状態になっているため、有酸素運動がより効果的になります。
有酸素運動を行う前に10分ほど筋トレを行い、脂肪を燃やしやすい状態にした後で、ウォーキングやジョギングを行いましょう。
頻度は週3~5回、1回あたり30~60分を目標に
運動で内臓脂肪を落とすためには、運動を習慣化して継続することが何よりも大切です。
頻度は週3~5回、有酸素運動と筋トレを合わせて、1回あたり30~60分を目指しましょう。
ただし、最初から運動の負荷をかけすぎると挫折する原因になってしまいます。
まずは少し息が弾む程度で45~60分続けられるようにして、慣れてきたら少しずつ負荷を上げていきましょう。
食生活改善のポイント
内臓脂肪を減らすには、食生活も大切です。
ここでは、食事の取り方のポイントを紹介していきます。
早食いせずよく噛んで食べる
よく噛んで食べることで、脳の満腹中枢が刺激され、少量でも満足感を得られます。
さらに、よく噛むことで交感神経が刺激され、内臓脂肪が落ちやすい状態に。逆に、よく噛まないで早食いすると、なかなか満腹を感じずに食べすぎてしまい、エネルギー過多になってしまいます。
満腹中枢が刺激されるまでには約15分かかるとされているため、最低でも15分以上かけて食べましょう。
食材を大きめにカットするのもおすすめです。
脂質を減らしてたんぱく質を増やす
たんぱく質は、筋肉を維持し、基礎代謝の高い体づくりをするために欠かせない栄養です。
たんぱく質が多い食材はたくさんありますが、肉類でたんぱく質を摂取すると、脂質も同時にとってしまうことが多いです。
内臓脂肪を溜めないためには、脂質を減らしつつ、たんぱく質を増やすことがポイント。
ササミなど脂質の少ないお肉を選んだり、大豆製品をよく食べたり、食事にも気を付けましょう。
プロテインを活用するのもおすすめです。
アルコールを控える
アルコールは栄養素が少なく、体内で吸収されにくい性質をもっています。
さらに、摂取すると体がアルコールの分解を優先して脂肪が分解されにくくなる上に、食欲を増進させる働きもあります。
内臓脂肪を蓄積させないためにはアルコールをできるだけ控え、飲む場合には食物繊維が豊富なヘルシーなおつまみを選びましょう。
糖質を摂る時は食物繊維も一緒に摂る
糖質は体を動かすエネルギーであり、炭水化物に多く含まれています。
炭水化物は「糖質」と「食物繊維」で構成されていますが、中にはパンやお菓子など糖質がメインの食品もあり、食べすぎると血糖値の上昇や肥満の原因になってしまいます。
食物繊維は、腸内の掃除をして体に不要なものの排出を助けるほか、食後の血糖値の急上昇も抑えることができます。
糖質をとるときは、食物繊維をいっしょにとれる食品であるかどうかを意識してみましょう。
豆や芋、菊芋、ゴボウ、カボチャなども、食物繊維が多いのでおすすめです。
バランスの良い食事と適度な運動が健康のポイント
どんな生活習慣病にも共通するのは、「バランスの良い食事」と「適度な運動」が大切、ということです。
暴飲暴食などの悪い習慣を断ち切り、良い習慣を続けることで健康が作られます。
自分のためにも、また自分の家族や大切な人のためにも、ご自身の健康を大切にしてくださいね。